夏の王

夏の王
夏の王

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O.R・メリング
講談社
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「夏至祭」の前夜、最初のかがり火をともす「夏の王」。
彼を探すという使命を果たせず、少女オナ―は事故で亡くなった。
その死に責任を感じる姉ローレルは、妹が亡くなったアイルランドを再び訪れ、妖精と出会う。
そして、ローレルは、海賊女王やワシの王に助けられながら、謎めいた少年イアンと共に「夏の王」を探し始めるが・・・

今までのシリーズでは姉弟や友達同士のいいコンビを読んできたから、その分この始まりは辛いな・・・
あちらの世界が存在する分、妹と再会できる望みはあるけれど。
毎度のことながら妖精も勝手だよね。
人にしかできないとはいえ、危険な役目を与えて自分たちの問題に巻き込んでしまうんだから・・・(お互い様かもしれないが)
イアンとあそこで再会するとは・・・彼の痛々しさはどこか気になってたんだよね。
前にも読んだはずなのに、夏の王の内容は本当にほとんど覚えてない;
ライーンが好きだった。
彼の語る過去の出来事、夏の王のこと・・・いよいよ真相に近づいてきたかんじ。
イアンが何者なのかもこの辺りで確定かなと思いました。
問題は善悪ではないっていうのは、メリングさんのこのシリーズではよくあることな気がする。
人の善悪の基準と妖精のそれは違っていたりするのは、自然界のことは人の善悪だけでは計り知れないのと似ている。
海賊女王はなんとなく記憶にある。
そうか、夏の王に出てきてたのか。
この辺は特にワクワクしたから覚えていたのかも。
イアンをありのままに受け入れていたナンナフローいいね。
彼とローレルがよく喧嘩するのを読んでいるとナンナフローの器の大きさが分かる。
自分と違う存在をそのまま受け入れるというのは難しい。自分に置き換えてみても。
妖精国を救うことは人間の役目か・・・なぜだろうと思う一方で人間でなければできというのはなんとなく分かる気がする。
妖精は自由なようで色々なことに縛られているしな。
夏の王の語るオナ―の死の原因がこれまた重い。
戦いには己の中の闇との戦いもつきものだけど、この話はまさにそれがメインだったな。
周囲に馴染めず理解されなかったイアン、オナーの死を自分のせいだと考え今まで彼女を理解しようとしなかったことを悔やんでいたローレル。
ある意味二人の自分探しの旅であったように思います。
やっとローレルの願いが叶った時は達成感があって感動。
イアンとは別れることになるのかと心配しましたが、こちらもハッピーエンドで嬉しいです。
今まで読んできたシリーズの繋がりが私の中でぼんやりしてしまっているので、また一気に読み返したい。
でも、今はそれぞれの幸せを手に入れ未来に向かって歩み始めた彼らを祝福したい。

ま行

Posted by tukitohondana

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