死すべき神々の荒野〈上〉〈下〉―ザ・サード〈7〉

死すべき神々の荒野〈上〉―ザ・サード〈7〉 (富士見ファンタジア文庫)ザ・サード7 死すべき神々の荒野(下) (富士見ファンタジア文庫)
パイフウのもとへ殺したはずの男からの使者が訪れ、彼女は旅立つ。
自分を完璧な暗殺者に育てたかつての師ハデスと対峙するために・・・
一方火乃香とイクスは忽然と姿を消したパイフウを追いかけて砂漠へ向かう。
バトル・アクション・ファンタジー第七弾。上下巻。

パイフウの以前と変わらない所と変わった所の危ういバランスに色気を感じる。
彼女の怪我を心配しながらも、火乃香サイドに視点が移るとどうしてもテンションが上がってしまう。
状況はともかくボギーがまたも人間臭くなっていてちょっと嬉しかった。
イクスもだいぶ馴染んじゃったよね。
レオノーラやウォルケンのセリフは好き。
厳しくも優しくて生きる活力をくれる気がする。
その辺、火乃香も似てるなぁ。
受け継がれている感じでいい。
浄眼機が出てきて嬉しいんだけどますます事態の深刻さを感じる。
あのザ・サードならそんな時じゃなくても会いに来るかもしれないけど・・・かつての火乃香の態度を思い出す浄眼機のセリフに懐かしくなった。
変わったのは火乃香だけじゃないだろうけどね。
ハムシーン・フィッシュの思考とそれを知った火乃香の反応にはちょっと感動。
こういう時に、ザ・サードは、生きていていいんだとか、生きよう、生きたいって思わせてくれる。
シンがあやしいのは分かってたけど、ちょっと悲しい。
今回の敵も今まで以上に強力で火乃香が心配だな・・・
大分人間離れしてきたと思ってたけど、まだまだとんでもなく強い相手は現れるんだね。
バトルマンガのように;
ちょっと四神サイドの話が長いかな・・・彼らが後々も出てくるならこの扱いは分かるけど、どうなんだろう。
彼らのことは嫌いではないけど。
あの存在の願望は人になりたい・・・か。
パイフウへの執着やその願望がある時点で人間らしいと思うけどな。
イクスのある種の強さを知るとともに、まさかちょっとハデスに魅力を感じ始めるとは思わなかった。
弱さとは魅力なんだよね。
強いと感じていた相手であればあるほど、その弱さを知った瞬間っていうのはドキッとする。
ハデスの正体はなんとも・・・今ならすんなりそうだったのかと思えるけど、最初出てきた頃はそんな存在だとは思わなかったな;
スカーレットはあまり好きじゃなかったけど、彼女がハデスのパイフウへの執着から生まれたと思えば憎めない。
ロウエンは最期がかっこよかった。
四神がどういう存在だったのかを考えると、彼らサイドの話が長かったのも仕方ないのかな。
ハデスに立ち向かっていく火乃香、その後パイフウと話す火乃香を読んで、またより彼女のことが好きになった。
今回亡くなった面々は残念だけど、今回の出来事は火乃香の中で生きていく。
そう思うと次の話を読むのが楽しみになった。

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