十二国記 月の影影の海

月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート月の影 影の海〈下〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
高校生生活を送っていた陽子は、ある日突然目の前に現れたケイキと名乗る男によって連れ去られてしまう。
彼は陽子を主だというが、それはどういう意味なのか?
疑問が解決することないまま海に映る月の光をくぐりぬけ、辿りついたのは見知らぬ国。
そこで陽子を待ち受けていたのは異形の獣たちとの戦いだった。
騙され人間不信に陥っていきながら、帰るあてもない陽子の孤独な旅が始まる。

十二の国をそれぞれの王と麒麟が治める世界を舞台に繰り広げられる壮大なストーリーとキャラクターたちが魅力的な作品。
人の心の弱さとか迷いをリアルに描き出した作品だと思います。
醜くかったり美しくなったりする、それぞれの人の内面。 苛立ちや行き場のない怒り、そして疑い。
それらを乗り越えて主人公の陽子はすっごく成長していきますよね。
色々考えたり学ばせてくれる小説。おすすめです。

陽子が日本に住んでいた時のまま王になっていたなら、長続きはしなかったと考えると、先の塙王錯王が皮肉にも慶に良い王が立つ可能性を作ってしまったと考えられなくもないかも。
また陽子が楽俊に出会えたこと事態は双方にとっては運がいいことで、やっぱり王には運が必要なんだなと改めて思いました。
どちらもそれぞれ辛い経験を経てだけど、あの二人が互いのような存在に会える可能性ってかなり低いはず。
と言っても、幸運やチャンスそのものは誰にでも与えられていて、それをどう受け止め活かすかが大事なのでしょうけれど。

あ行

Posted by tukitohondana

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