パパとムスメの7日間

五十嵐 貴久
朝日新聞社
発売日:2006-10

女子高生の小梅16歳と、サラリーマンのパパ47歳。
ある日、楽しみな先輩とのデート、大事な会議を目前にして二人の人格が入れ替わってしまって…
パパはドキドキの青春を女子高生は無事サラリーマン生活を過ごせるのか?
ハートウォーミングな家族愛を描いた長編。
『交渉人・爆弾魔』が読み易く、人物の言動感情の描写が好みだったので五十嵐さんの他作品にも興味を持ちました。
物語でよく見かけるような父娘の関係がほんのりコメディ調に描かれていて、今後中身が入れ替わった時の期待が高まっていきます。
娘の小梅は恋する女の子の時は可愛いし、なんだか父親はちょっとヘタレな所が心情を読んでいて和む。
どちらも可愛い。
特に入れ替わってからが。
この二人のやり取り面白すぎる。
互いの立場と後々の生活もしくは幸せのために相談したり交渉したりするシーンが好きだった。
デートの時の父親の心境の変化がこれまた…なんかツボだ。
本の話題で先輩ともりあがりだした時はたまらず吹きだした。
先輩も落ち着いててかっこよくていい人なんだけど、少しずれてる感じが好きだな。
交渉人の時も思ったけど、組織の中の人間関係とか矛盾、ジレンマを書くのが上手いなぁ。
リアルに感じます。
火曜日の御前会議でやっと待っていた時が来て嬉しかった。
そうそう、こうなるのを期待してたんだよね。
小梅も父親も互いにこうして欲しいっていう要望はあって、でもそれぞれが正直に行動することによって状況が好転していく。
途中でちょっと難しいかなと思ってしまっていた父(中身は娘)サイドだけど、思っていた以上の展開になって良かった。
うーん、あの人がまさかこんなに危険な人だったとは…ちょっとぴり父親の方にもやましい秘密があるんじゃないかと疑ってしまった事を反省した。
あそこまで一方的だったとはなぁ。
最終的には劇的な変化があったわけではないかもしれないけれど、父と娘二人の中ととある会社は小さいけれど大きな一歩を踏み出したかなという気はした。

あ行

Posted by tukitohondana

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