月と炎の戦記

世界が闇に覆われてしまって一年。
里を救う為に旅だたされた少女カエデは、窮地に陥った時に神々を罵りはじめる。
そんな彼女の前に現れたのは、夜を統べる神ツクヨミだった。
そして、ふたりは、共に世界を救う旅をすることに…
日本神話の世界で繰り広げられるファンタジー。

なんとも気まぐれでやる気がないツクヨミが好きでした。
彼と彼の乗獣ツユネブリ(見た目は大きなウサギだけど肉食で空を飛ぶことが出来る)のやり取りが面白い。
ツクヨミとカエデに振り回されているツユネブリの苦労人(苦労兎?)っぷりが気の毒ですが可愛く思えます。
あの主従の皮肉の言い合いが読んでいて心地良いのは、きっと両者の心の奥にある信頼や絆が伝わってくるからなんでしょうね。

ツクヨミ任せかと思えば、彼の危機を案じて危険にも立ち向かおうとするカエデの言動の我侭や矛盾は人間らしく、愚かな面もありますが純粋で可愛らしく憎めません。
イザナギとカエデやツユネブリの会話は面白く、やっぱりイザナギはツクヨミの父親なんだなと納得できますね。どこか似てる。(やる気がない辺りとか。人間に興味が薄いのは神族全般がそうみたいでしたが)

罵倒したら神が現れたという設定がなんとも印象に残っていましたが、結末とかは再読するまで忘れてました。
考えようによってはカエデが神を罵倒したことによって人間は救われたことになるんですよね;

ま行

Posted by tukitohondana

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