愛をささやく夜明け

テレパシーを使える女性レイヴンはその能力によって凶悪殺人犯の追跡をしていた。
それによって疲れた彼女は休暇で人里離れたカルパチア山脈に向かう。
ある夜明け、あまりに強い孤独を抱える存在に気づきテレパシーによって接触を試みるが…
謎の種族“カルパチアン”の君主ミハイルと出会い、傲慢で存在な彼に反発しながらも次第に互いを求めずにはいられないようになっていく。
謎に包まれた闇の種族の物語開幕。
主人公二人が心を読めるので相手の考えが分からないというミステリアスな魅力がないが、ヒロインの気持ちが相手に筒抜けというスリルはある。
強引なヒーローとそれに反発するヒロインという関係は好き。(両方とも頑固すぎる気はしたけど…それぞれの境遇を考えると仕方ないかも)
ミハイルにどうしようもないほど惹かれながらも、平常時は自分の考えを持ち冷静なレイヴンの態度は好きだった。
プライドが高く傲慢とも見えたミハイルの中の優しさと深い愛情が徐々にこれでもかというほど描かれている。
とにかくヒロインが愛されているのがしっかり伝わってくるのが好きな人にはおすすめなロマンス小説かも。
暗殺者たちとの決着は思ったよりあっさりついたという印象。
その前のレイヴンの言動は好きだった。(上手いやり方ではなかったかもしれないが…)
神父のエドガーとレイヴンのやり取りは和んでよかった。
エドガーとミハイルの関係も好きだ。
変化してからもレイヴンが人間の本能を抱き続け苦しむ所がリアル。
彼女の優しさ冷静さと我侭(頑固さ)等のバランスも人間らしくていいと思う。
グレゴリが役割的にも性格的にも気になる存在。
とある人物の死は悲しかったし、これからも辛い戦いが待っていそうだけど気持ちのいい結末でした。

は行

Posted by tukitohondana

inserted by FC2 system