宵星の魔女エミリー

宵星の魔女エミリー (新大陸魔法冒険記)
M・K・ホブスン
早川書房
売り上げランキング: 1,091,893

アメリカ西部の田舎に住む魔女エミリーは、苦しい生活から父と自分を脱出させるため恋の魔法を使い意図せぬ状況に陥ってしまう。
その上、ひょんなことから奇妙な石が手のひらにはまり魔法を使えなくなって…
いけすかない魔法使いのスタントンと共に旅をするはめになったエミリーに、次々と試練が待ち受けていた。

プロローグで分かるのは魔法がそれほど秘められたものではなく、軍事的にも用いられていることってことだな。
この倉庫の件が本編にどう絡んでくるのか・・・って読むのに時間がかかりすぎてこのシーンがかかわってくるころには忘れかけていたんですよね;

養父のよために幼馴染と結婚しようとする魔女。あらすじを読んだ印象より年齢高めでした。
恋愛要素があって、ここのタイプのヒロインはあまり読んだことないので面白そう。
スタントンがいやなやつといよりかは変わり者っぽいのできになっていました。(物語ではどちらも好き)
むしろ感情的になっているエミリーより冷静でいい人じゃないかスタントン…読んですぐに印象変わりました。
誤解してたけど、エミリー視点での彼の行動しか情報なかったからな。

死体スイッチの仕組みは面白い。
壊れた時に発生する問題を解決できればいいんだけどな。
これだけの技術があれば人形に仮の魂を入れたほうがいいのでは?と思ったのですが、そちらのほうが難しいみたいですね。
あとで、生命体以外に魔力は宿らないって書いてあったので。

ダグの翌日の様子にぞっとした。
予想外の状況とはいえ、恋の魔法なんて可愛いものの結果じゃない気がする。
他人の一生に関わる魔法ではあったので、エミリーに非がないと言えないのが辛いところ。
と思っていたので、あとでダグが以前からエミリーを好きだったというのに驚きました。
もっと早く伝えていれば、あんな魔法を使わなければこんな面倒なことにならなかっただろうに…
そう単純な話でもないか。

町があの状況なので置いていく父親が心配でした。
ミセス・ライマンも誤解してるけど、味方であるようでよかった。エミリーの心配をしてくれていたしね。
旅に出る頃にはエミリーの最初の印象は塗り替えられていました。
やっぱりアメリカが舞台のロマンス小説の主人公らしい性格だった。
きらいじゃないけど、結構きつめ。というか強い。
なんか、スタントンが気の毒になるほどでした。コンビとしてはバランスがとれていてありだと思うけど。

ああ、コメがスタントンのさよならって言葉に疑問系で返したのは、これからどんぐりになって一緒に旅をするのにって考えていたからか。
ローズという少女が目立つ登場をしたのか疑問だったんだけど、意味のない登場人物はいないよね。
マニピュレーターの危険性を知るとともに納得。

信心魔法の理屈とその魔力のために信心魔術師たちが行っている活動が興味深い。
信心魔術師の世界、スタントンにとって生きづらそう…ミラビリスの話を聞いてそう思った。
何より要領よく立ち回る方が強くなる秘訣みたいなのが、私にもあわなさそうだ。

エミリーの手の石をどうするかのシンポジウムは血なまぐさいことに。
もっと冷静で知的な展開を期待していたので裏切られた気分。
赤色魔術師が危険だというのがよくわかってなかったからかも。
今まで、あれだけ命を狙われてきたのにな。
黄金の血(クライソ ヘイム)、地球魔力抽出つってFF7の魔晄思い出すな。

エミリーが使って厄介なことになったあの魔法でピンチから脱出しようとするエミリー。
あの灰の存在を忘れていたので、まさかまた使うことになるとは。
多くの犠牲を払った上でなんとかハッピーエンドでしたが、まだまだ問題は残ってそう。
続編がで出たら読んでみたい気もします。
どちらかというと、ロマンスよりファンタジー面が面白い小説でした。

は行

Posted by tukitohondana

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