暗闇のプリンセス

暗闇のプリンセス (MIRA文庫)
ハーレクイン (2006-07-15)
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アンバーは最近同じ夢ばかり見るようになっていた。
燃えるような瞳の男が現れ、魅了される。彼が小箱を差し出すと中を見る前に目が覚める。
ある日、車の前に男が飛び出してきてアンバーは彼をひいてしまう。
ひいてしまった男は夢の中の男だった…
出会い惹かれあう二人と復讐の物語。
パラノーマルロマンスで吸血鬼と人間のハーフがヒロインの話を読むのは初めて。
仲間や家族と呼べる吸血鬼と人間が複数いて仲良く暮らしている状態からはじまるというパターンも初めてだったので、最初はちょっと苦手意識がありました。
アンバーに感情移入してからは、それも薄れてきて続きが気になりだしましたが。
三人称なのでエッジの思惑も分かるわけで、不安もあったし。
エッジがアンバーによって車のトランクに入れられた時は笑ってしまいました。
ちょっと濃い登場人物が多いのは、これがシリーズ三作目だからというのもありますよね;
買う前に気づきたかった…
互いに惹かれあっているのに信じることができず、憎まれ口を叩きあう。
こんな関係は結構好き。
肉体的結びつきがちょっと早かった気がするけども。
体は受け入れたのに相手を利用するしかない、信じることができないという危うい関係が進行するのもこの物語の魅力かな。
エッジは冷たいところもあるけれど時々ちょっと抜けてるところがあって憎めない。
かつては幼い仲間たちと共に暮らしていたエッジ。
彼は本来は愛情深く面倒見のよい面を持っているんじゃないかな。
後半になってそんなエッジも見ることができたように思います。
新たな不安要素が生まれることもありましたが、その存在によって二人の絆は深まり最終的には予想以上のハッピーエンド。
私のパラノーマルロマンスの好みとはちょっとずれていたのですが、切なくも優しいあたたかい物語でした。

さ行

Posted by tukitohondana

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