村上海賊の娘(三)


序盤の景の報われなさが辛いところだけど、七五三兵衛側の言い分も分かる。
来龍との対面は留吉の健気さというか、まさに門徒の鏡みたいなところが読んでて複雑だったな。

孫市があの戦場で生き残ったのはちょっと嬉しい。
信長は理想の信長で良かった。

武吉がまさか景が衝撃を受けることまで計算に入れて好きにさせてたとは思わなかった。ただの親バカでないところが良い。
出陣せず歌を詠んでた時からしても変わり者にしか見えなかったけど、そこも何を考えているのか分からないギャップがあって面白い人物だと思った。
怜悧であれだけ思慮深いと見せかけて、結局娘第一なとこもいい。

おお、門徒たちの生き様に感動し再度戦場に赴くと決めた景。
このシーンかっこよくて涙腺に来た。

掛合いに行く最中、ようやく就英がかっこよく見えてきた。
ラストの孫市を味方につけての七五三兵衛たちのと海戦が熱かった。
鬼手の意味はなるほど。こんな姫いたらそりゃ惚れるし、守ろうと奮起するよね。

わ行新潮文庫

Posted by tukitohondana

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