蒼いくちづけ


精神感応能力者テレパスがいるのが当たり前の世界世界。
能力を細胞で移植できるためにテレパスのルシアは殺されてしまう。
純粋すぎたゆえに愛した相手に裏切られた憎しみも強くその思いが新たな悲劇を呼び始める。

まずルシアが気の毒だったのと、テレパスのような能力を移植できてるのが珍しいなと思った。脳にそういう力があると考えるとなるほどありそうなんだけど。

ジュールの容疑が金持ちの夫9人なのが怖い。いくら能力のおかげでばれないにしても酷い;
あっさり退場したのにもびっくりしたけど。

無限心理警察機構刑事(サイディック)という職業が面白いと思った。
テレパス専門の刑事であり、唯一彼らの読んだ心には証拠としての価値がある特別な存在。
彼らが黒と判断したら撃ち殺すのも可能なので火葬屋とも呼ばれる嫌われ者。でも、彼らが白と判断したら疑いが晴れる救いでもある。

あらすじからしてもっと被害の規模が大きいのかと思っていたけどそうでもなく、自分の死に関わる人々への直接的な復讐だった。
関わる人の関係者も被害にあってるのでルシア酷いと感じるけど、死者にそんな分別期待してもな…事の善悪は置いといて復讐が果たされたのはすっきりした。
ブートタグは悪質な男だったので。
悲しい死に残酷な奇跡が起きて、新たな死者が出て、宇宙公認の殺し屋がたまたまそれに救われお礼にルシアの魂を救済した、と物語としてはホラーでありそうな話をSFにした感じなんだけど、テレパスやサイディックの存在が面白いので同世界の話をもっと読んでみたいかも。

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