クロスファイア〈下〉


設定やテーマ的には少年・青年漫画や海外のアクション映画で見かける方向性。
20年以上前の小説で現代が舞台だけど、違和感なく読める。
ダークヒーロー的なのを期待したけど違った;でも、やっぱりそれっぽさはあるかも。

前巻終盤で超能力者たちの存在が警察サイドでも確認された。
かおりの存在がもしかすると今回の事件の真相を追う助けになるのではと思った。
守護者のメンバーが警察組織内にいると気づく前までは…

三田奈津子の生存と彼女があの夜以前から浅羽たちに狙われていた事実を知ると、なんかもう彼らはあの死に方でも仕方なかったのでは…と思いそうになる。

浩一の能力は使い方によってはとても怖いものなんだけど、とても普通の明るい人でそこが逆に怖いかも。
淳子は同じ能力者だからか浩一と一緒にいる時はなんだか自然体でいい。
なので、二人がそういう関係になったのにも違和感なかった。
後々なんで最初はなんか胡散臭い嫌な奴だと思ってたのになんで信じてしまったんだろと淳子にも自分にも思った。

かおりと彼女に力の使い方をレクチャーしようとしてる淳子。この点だけ見れば、ガーディアンみたいな組織は必要かもと思う。超能力者に力の使い方を教えたり場合によっては保護してくれる施設みたいなの。
どんな組織にせよ世の中に超能力を公表しないなら淳子は危険人物でしかなく、あの結末は残酷だけど納得しかない。

ラストは牧原が淳子ともっと早く出会っていたらと思わせるところと信恵が淳子に花を持ってきたところが好き。

模倣犯の方が読みやすくて引き込まれる面白さがあったので、クロスファイアよりもっと後の宮部みゆきさん作品の方が好みなのかもしれない。

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