小説 PSYCHO-PASS サイコパス (下)


ここにきて監視官と執行官たちのことが掘り下げられる。
狡噛さんと宜野座さんが同じ学校出た友人なのは失念してた;
宜野座さんの父親が征陸さんなのは覚えてたけど。

余計なことを考えれば考えるほど色相は濁り犯罪係数は悪化する、か。
私は余計なこと考えまくるから色相めっちゃ濁ってそう;
正直、犯罪抑制ではなく人生設計で悩まなくていいとこがちょっと羨ましい。選択肢がないのは辛いけど、あってる仕事をシビュラシステムが選んでくれて、精神状態が良くない時は色相検診に引っかかるわけでしょ。潜在犯になってもデメリットだけでなくメリットもあるし、人によってはシビュラシステムに管理された世界のが幸せになれると思う。
ただ、文学や芸術のメディア面の規制が厳しいのが嫌かな。
結局こういう世界観の物語で読んでて面白いのも、その世界のシステムから外れた人々の物語だったりするし。

朱はシビュラシステムの申し子だからこそああで、槙島とかとはまた違うんだよな。
その対比が好き。
槙島は頭が良くて残虐なだけでなく強くてスピードもある。
失念してたけどこの人は狡噛さん(強い)と近距離戦できるんだった。

シビュラシステムに未来を約束された若者たちがヘルメットを被った暴徒たちに襲いかかるシーンは、なんだろう逆も嫌だったけどこれは…
人は性格だけでなく環境や状況で変わるのがよく分かる。
シビュラシステムの存在意義を問う展開。

縢がグソンに言う台詞内容がいい。
シビュラシステムにも不満はあるけど槙島たちのやってることも気に食わないって正直に言うこと。
縢、シビュラシステムなければいい人だったんじゃないかな…
死んだ理由もシステムの正体を見てしまったからなの辛すぎる。

槙島がシビュラシステムの一部になることを拒むのがいい。
彼に限らず拒む免罪体質の人間は多そうだけど。
いやでも、シビュラシステムの真相は一般人にとって残酷すぎる。
自分たちを管理してるのが全てがそうじゃないだろうけと凶悪犯の脳なんだもんな。
朱のようにシビュラシステムがどんな存在であっても否定できないタイプの人間は他にもいそうだけど、それでもサイコ=パスが濁らず犯罪係数も上昇しないとなると特殊ってことなんかな。
優秀でシビュラシステムの価値を評価しつつ己の中で物事を見極める心を持った人間という点は貴重なのかも。
理想的な今後の市民像って後でシビュラシステム側が言ってたな;理想高っ!
生涯を自分に捧げろというシステムといつか誰かがこの部屋の電源を落としにやってくるという朱の会話が好きすぎる。

狡噛さんと槙島の決着はついてよかったと思う。あの二人の結末に朱やシビュラシステムが入り込むのは興ざめ。
でも、二次創作的にはシビュラシステム入りした槙島→朱とか好きだけど!
結局私は狡噛と槙島、朱とシビュラシステムの関係が好きなんだな。

は行

Posted by tukitohondana

inserted by FC2 system