宝石の筏で妖精国を旅した少女


12歳の少女主人公のファンタジーということで児童書かなと思ってたけど、本編中に出てくる記載からして大人向けなのか。
なんでこんな発想が出てくるんだろうという突拍子もないところが不思議のアリスっぽい。なるほど。
これぐらい自由な発想できるようになりたいな。楽しそう。

大筋は王道の冒険ファンタジーなので取っ付きやすい。
ワイバーンのエーエルは父親が図書館な当たり以外は登場するキャラクター中でも話してる内容がまともなのでほっとする。
侯爵が絶対の君主で敬われてるけど理不尽っぽいのが伝わってくる。

カルパーニアとペニーの師弟も好きだった。
カンパーニアが取り替え子であるペニーを助けたことで侯爵に追われる身であることも。

サタディを助けたことといい死にたくないのに眠れない死に子守唄を歌ってあげたことといい、セプテンバーいい子なんだよな。
侯爵と交わした約束も命懸けだし、物語の主人公と自分は違うと思ってるセプテンバーがまさに主人公らしいとこが好み。

付喪神が出てきたのは嬉しかったのでセプテンバーと仲良くできなくて残念。
捨てられた物の付喪神みたいだから人間嫌いでも仕方ないか。
体が半分しかない種族やサメが珍しく怖い存在として書かれてなかったのも印象的。
それをいうとエルも知的で大人しく友好的なワイバーンという珍しい存在だけど。

侯爵の過去にびっくり。そう来るか。
悲しい人だったんだな…侯爵のやったことの理由にいきなり説得力が。
この手の物語では珍しい結末だった。こういうの大好き。

inserted by FC2 system