暁と黄昏の狭間VI 鳳船の書

暁と黄昏の狭間VI 鳳船の書 (トクマ・ノベルズEdge)
西魚リツコ
徳間書店
売り上げランキング: 1,016,439

セゲド族を連れ、ドムオイへと向かうセフルの前に渦の海と水賊が立ちふさがった。
一方ギルダン・レイは呪いボルジを止めるため呪われた軍と共にリヴォ帝国の新都スジャワを目指していた。
ついにケリードやヘン=ジャックたちとの決着の時が迫る…完結編。

エイメがメインの登場人物に戻ってきた!嬉しい。

ハンチェッタすごい苦手。ただ、立場上そういう生き方をせざるをえなかったっていうのはあるかも。
同情できないほど悪いこともしているのが、いっそ清々しい。

針を使った魔術をセフルが行った時は緊張。
シュンパが助かってよかったし、今後セフルがどんなことができるようになるのかという期待も増した。
エイメの魔術は安定していて頼りがいがある。

サイヤーレに操られているギルダンが痛ましい。
引き続きサイヤーレがミリディアンの体の中で生きていることに彼以外は気付いていないというのが苦しいところ。

王子と似たワンを持つ者としてセフルと共に選ばれた人物が今頃でてくるとは…そういえば家が漁師だったな。
思えばセフルではなく彼がメルヒルト王子を助けることになっていたら、この物語はなかったよね。
セフルは旅立たないし、エイメやギルダンの運命も大きく変わっていた。
振り返ると面白い。

アルゴー村に戻った時の皆の反応きつすぎだろ…余所者への風当たりがきついのはともかくとしてセフルに対していくらなんでもという気はする。
ネウトスへの贈り物の扱いにもびっくり。
送り主が気に食わなかったからといって、取ったりする?
アルゴー村の人々に対する認識が甘かったなと実感しました。悲しい。
今までの生活に満足しているかどうかの違いもあるかな。セフルと他の村人たちとの違い。
満足すると変化は恐いもので受け入れたくないというのはある。
焼き討ちには流石にひいた。閉鎖された空間って狂うと恐い。

ケリードの変化にはここずっと続いた悲惨な出来事で落ち込んでいた気持ちが癒される気がした。
死にかけたこと、侮り敵対していた相手に命がけで助けられたことが彼を変えてくれるといい。
息子との関係も。彼もセフル同様、ある意味過去に囚われていた人だから。

最後の方はもはや救いはないのかと思ったので、ギルダンとセフルだけでなく世界全体がまさかのハッピーエンドで感動しました。
ご都合主義でなく重い部分は重く、それでいて光あふれる結末。
何はともあれ二人の生き方が報われたのが嬉しい。
皆変わるところは変わったけれど、各々の生き方を貫いた感じがしました。
ギルダンはもちろんヘン=ジャックの長老メイガンも…あの人はすがすがしいぐらいだった。

な行

Posted by tukitohondana

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