鴉 -KARAS-

黒い光、帝都を舞う―
新宿では前進の血液を抜き取られた猟奇事件が起きていた。
それれは機械の身体を手に入れた妖怪・御座(みくら)の仕業だった。
新たに街の意思の代行者・ゆりねに選ばれ鴉・乙羽となった青年の御座とその上に立つ男・廻向との戦いが始まる。
※流血・グロシーン等あるのでそういうのが苦手な方にはおすすめしません。

先代の鴉と街の敵となった元鴉・廻向との激しい戦闘がオープニングから繰り広げられ、そのアクションシーンの美しさと迫力に圧倒される。
人が街の意思によって生かされている…というような設定もあるっぽいですが、深いところは後で考えても楽しめる作品だと思います。
最初は話が分かりづらいので、三話辺りまでは続けて観たほうがいいかもしれません。
二週目観ると序盤の理解できなかった部分が繋がります。
ただ、アニメ本編だけでなく他所からも情報引っ張ってこないときつい部分もあるかも…
あああれってそういう意味だったんだ、ってところがあるので。
戦闘シーンだけでも一見の価値ありかと。
音楽も最高でした。
ストーリーは意見が別れるところだと思います。
私は好きですが、もうちょい話数が欲しかった。
鴉不在の新宿に流れ者妖怪・鵺が戻り、リアリストの刑事・呉警部がやってくると同時に物語は動き始めます。
妖怪サイドと人間サイドそれぞれ謎というか事情を抱えていて、勧善懲悪ではない辺りが好きです。
鴉も人を守るための正義の味方っていうのとは違いますし。まさに摂理なんでしょうね。
最初は異様にも見えた刑事・鷺坂さんの事情、己自身も御座でありながら御座に敵対する鵺の事情。
どちらも最後は泣きそうになりました。
新宿の鴉・乙羽となった青年ようすけの過去がまた切ない。
ボロボロになりながらも立ち上がる乙羽の姿にも胸が締め付けられました。
ゆりねが生まれるシーンはそうくるか…と思いましたが、あのシーン綺麗で好きです。
廻向もかつては街を愛していてだからこそゆがんだ感情を街(ゆりね)に向けているというのが伝わてきて切ないです。
ラストのゆりねに手を伸ばすシーンとか…
とにかく街(ゆりね)と鴉の関係がたまらなく好みでした。
壊れつつある妖怪と人の関係にも惹かれる。
鵺と雨降り小僧のやりとりは微笑ましくて可愛かった。
雨降り小僧の必死な姿に後半も癒されました。
第三者的立場である他の街の鴉・炎も結構好き。
本者の鴉について話してた内容からすると、彼女も過去に色々あったんだろうな。
ゆりねと鴉にも色々いるんだろうなと想像すると楽しいです。
ちらっと出てきた他の鴉たちもかっこよかったので余計に。

inserted by FC2 system