シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と赤の王国

2023年10月8日

シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と赤の王国 (角川ビーンズ文庫)
三川 みり
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-09-30)
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銀砂糖師アンたちは、間近に迫った新聖祭に向け砂糖菓子作りに余念がない。
そんな中、ペイジ工房の優秀な職人・オーランドが襲われた!?
襲ったのは、銀砂糖師襲撃事件を起こしていた美貌の妖精ラファルだった。
その上、アンは戦士妖精シャルに異常な執着を示すラファルに人質にとられてしまい……

今回は初っ端から厳しい展開。
アンのブリジットへの言葉はなるほどと思ってしまった。
自分のせいと思ってはダメな理由。
我慢している人は他人にも我慢を押し付けるみたいなのを前に読んで、納得してたんですがちょっと似てるかなと。
ラファルがオーランドの片目を奪ってしまったことで、ブリジットとグレンさんの間の溝がまた一段と深く…
この親子のすれ違いは切ないと感じた後なので辛いです。
アンの語る除け者に対する意識というか考え方って前向きでごい。
確かにその状況に必ずしも、除け者にしようっていう悪意が働いているとは限らないですもんね。
今回のジョナスの状況とアンが言い当てた彼の本心といい、現実でも想像しやすくてリアルだよなぁ…
このシリーズはファンタジーしてるんだけど、人間の心の描写が身近でリアルだなと感じることが多い。
キャットたちが加わってほっとするのもつかの間か…ラファルの卑劣なやり方には腹が立ちますが、彼の目的がますます気になる。
後で目的はあっさり出てきたけど…思っていた以上に大きな野望だったな。
妖精を今の立場から解放したいというのは賛成なんだけどさ。
アンのために自分たちができることをする。
ペイジ工房の皆とキースの言葉に怒ったエリオットの姿には胸を打たれた。
ラファルがアンとシャルに語る内容はある意味真理と言うか真実なんだろうけど、彼には言ってほしくないな。
彼の過去に何があったとしても。
二人の関係とこれからを決めるのは、二人であって欲しい。
戦士妖精たちに生きろというシャル。
彼らが自由になるシーンは感動してしまった。
妖精王の話がこれで終わりというのはなんだか、物足りない気もするけどまだ金剛石もあるし。
ルスル・エル・ミンには別れまでなんか癒されたな。
純粋な存在って強いわ。
彼女が海を見れるよう私も願います。
ジョナスもブリジットも可愛くなっちゃったなぁ。
これは思っていた以上のハッピーエンドかも。
多くの被害者が出て、ラファルが生きているかもしれないけど。
砂糖菓子が設置されてからの聖堂を見てみたい。
きっと見ているだけで幸せになれるような美しさなんだろうな。
アンの新たな旅立ちを祝福したいと思っていたら、まさかのラスト。
これは、続きがものすごく気になる。

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