炎と花

炎と花〈上〉 (ヴィレッジブックス)炎と花〈下〉 (ヴィレッジブックス)
1799年、両親を亡くした17歳のヘザーは英国の片田舎で伯母と暮らしていた。
伯母の弟ウィリアムの招きで訪れたロンドンで、ウィリアムに暴行されそうになったヘザーは誤って彼をナイフで刺してしまう。
狼狽して夜の街を彷徨うヘザーは、アメリカの商戦の乗組員二人に連れられて船長のブランドンのもとへ。
二人が探していたのは、ブランドンの一夜の相手をしてくれる娼婦だった…
 
ヒストリカル・ロマンスの金字塔とのことでAmazonでの評判も良いですね。そちらのレビューを見て購入してみました。
私としても設定や二人のこれでもかというほど引っ張るすれ違いは凄く好みでした。
急の出会いと強引な縁。
娼婦だと勘違いされレイプされたことでブランドンを憎むヘザーと、彼女のたくらみで強引に結婚させられたと思い込んでしまうブランドン。
互いに惹かれあい、誤解を解きながら二人で成長していく仮定がじっくりと描かれています。
後半は新天地のアメリカに渡ってからの物語で二人はもうすっかり相手に惚れている状態。
事件や邪魔が次々と入りますが、愛し合っているのは分かっているので誤解が解ける前でも安心して読めました。
ブランドンかっこよくて強くて強引…だけど、いざヘザーが好きになってしまうとへたれなところもあってそこも好きでした。
 
勧善懲悪っぽいのは良かったんですが、誠実で正しい者は美しく愚かで卑劣な存在は醜い。
その点が強調され過ぎている気がして(たぶんわざとなんでしょうが)、そこがちょっと気になりました。
もちろん内面は多かれ少なかれ表に出るとは思うのですけどね;
いくらヒロインの内面が綺麗でも容姿を褒める表現が多すぎると、どうしてもヒーローはヒロインの容姿にメロメロなんだなと感じて冷めちゃうんですよ。

あ行

Posted by tukitohondana

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