魔女の目覚め 下

写本“アシュモール782”を狙う者たちの魔手が迫る中、マシューはダイアナを連れ故郷フランスへ。
孤高の城では冷血な女主人イザボーが待っていた。
魔女を憎むイザボーだったが、ダイアナは彼女と心を通わせるうちにマシューの悲しい過去と驚愕の事実を知る。
そして、ついに恐れていた事態が…

マシューとダイアナの別れは想像していたより短いものでした。
その間にあったイザボーとダイアナの関係の変化、知ってしまったマシューの過去、新たな多くの謎…と濃い内容だったけど。
別れと同様に穏やかで甘い時間も短く、次々と二人の間に障害が立ちはだかる。
家族の愛情もメイン要素の一つで、マシューとダイアナそれぞれの家族との繋がりの描かれ方もいい。
ずっと出て来なかったダイアナの両親が残した手紙からは深い愛情を感じた。
マシューがヴァンパイアであることもそうだったけどダイアナの父がタイムウォークできたことによって、より物語が壮大に感じられるようになってきた。
ダイアナの持つDNAの秘密、マシューとの間にある可能性と…これからが気になる事実と出来事が次々と。
全てに気づいてはいないとはいえ、コングレガシオンが二人(特にダイアナ)を危険視したり監視するのも仕方がない気もする。
しかも、種全体の今後に大きく関わる問題まで出てくるとはなぁ。
タイムウォークを前にしての秘密集会が集まるまでの流れはドキドキした…こういう前は関わりがなかったメンバーが同じ目的のために集まって協力するという展開大好き。
この手のヴァンパイアモノはやっぱり歴史に詳しいとより楽しめるんだろうなぁ。
知らない私でも遠い昔の出来事と登場人物のつながりが出てきた時はわくわくする。
あとこれを読んでいると歴史・文学的視点からの錬金術についてもまた興味が湧いてくる。
前から好む要素だったけど、謎めいた比喩表現も心惹かれる。
家に意思があって自己判断で行動するのが面白い。
困ることもあるだろうけど、こんな家に住むのは楽しそう。

は行

Posted by tukitohondana

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