まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」

魔王の城に乗り込んだ勇者に魔王は契約を持ちかける。
最初は断る勇者だったが、魔王の語る世界の現状と新たな可能性を聞き勇者は提案を受け入れた。
一介の剣士と学者として世界の改革に着手したふたりと世界の行方は?
魔王と勇者が協力して何かをなさんとする所と、経済の知識が楽しく読めるとのことで手に取りました。
会話はテンポよく、時々くすっと笑ってしまうようなやり取りもあっていいです。
でも、何より台詞の内容に興味津々。
そう言われてみればそうだよなとか、そうだったのか~と思える魔王の語る内容に勇者と共に反応してしまいました。
勇者の反応がまた親しみが持てていい。
魔王も職業の割には親しみ易い性格してるけど。
メイド長と姉妹のやり取りにはちょっと感動。
ファンタジーな世界で見ると経済学も面白そうに見える。
魔王と青年商人の会話は緊張感もあってハラハラしつつ面白かった。
勇者個人もよく考えて行動するようになっていて変化が頼もしい。
火竜大公との交渉シーンは笑ってしまうところもあったけどね。
なにげない日常的な村人の会話は和む。
勇者とメイド長の会話にはじわっときた。
勇者の純粋さというか優しさが伝わってきて。
あと思っていたより恋愛色強いかも。
登場人物は役割や立場名だったので、人格は掘り下げないのかなと思っていたけどそんなことなかった。
女騎士とメイド姉、師弟三人の会話を読んでいるとあああの世界で生きているんだなぁと改めて感じた。
見方を変えると戦争は悪という以外にもいろいろな意味があるんのだなと感じた。
戦も金儲けも美化されるか悪とされるかの両極端であることが多い気がするので興味を惹かれた。
勇者と女騎士の互いへの信頼がいいなぁ。ところどころ涙腺崩壊する。
年越し祭付近のエピソードは温かい気持ちになった。
魔王と勇者に関わった人間と魔族が次々と変わってきて、読んでいて気持ちがいい。
少しずつだけど確実に豊かな世界に成長してきている気がする。
人物はそれぞれ魅力的だし、メイド妹や師弟たちなど成長しているのが読んでいて嬉しい。
世界という湖に一石を投じて波紋が広がっていく感じ。
魔王が一度魔界に帰る時の“もう一人の私”発言や別れ際の勇者と魔王の台詞が重なるシーンが好き。
女騎士と魔王の友情もいいし、これからこの三人がどうなるのかとても気になる。
この作品の女性たち可愛いなぁと思ってたけど、人間的には魔王と勇者、萌え的には今のところ青年商人が好き。
本人がいないところで皆がそれぞれの人物に対して言う台詞がツボでやばい。
その人にとって相手がどれだけ大きな存在なのかが伝わってくると胸が熱くなってもう涙腺が…
ああ、あまりに順調に進んでいると思ったら、歪みがでてきていたか…
違和感があったんだよな。力を持っている人に良い人が多すぎるなって。
メイド姉はあまりしゃべらないイメージだったので、彼女が皆に言った言葉を読んだ時は驚くと同時に、また新たに灯を灯す存在が生まれていたんだなと嬉しかった。
魔王が勇者に灯した光が多くの人々の中で新しい光となって世界中へ広がっていく。
そんな物語だと思う。
敵対する存在が増え、魔王は戻ってくることができるのかも分からない状況で、これからに不安要素は多いけど、この世界の人々を信じたい。
続きを読むのが楽しみ。

た行

Posted by tukitohondana

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