模倣犯 (上)
久しぶりの宮部みゆきさん。発売当時も気にはなってたけど読んでなかった小説。
同作者の現代ミステリは初だったので油断してた。猟奇殺人系だったか。
過去に起きた殺人事件の遺族が第一発見者となるという悲惨さがインパクトある。これ以上彼が苦しまないといいなと思いながら読み進めた。
後から出てきたそちらの事件の詳細も惨いものだった。けど、その事件を模倣してるのが今回の事件だと勘違いしてた。違うのか。
失踪した女性たちを追っていたライターの慈子の目的が変わってきてて気になった。最初は応援してたんだけど、これは雲行きが怪しい。あまり事件に首を突っ込むと彼女自身も危険だし。真一と合流してからはちょっと頼もしく感じてきた。
犯人の鞠子の祖父義男への態度めちゃくちゃ腹立つな。でも、その後のやり取りで義男がの犯人への対応が冷静で強い人なんだな…と応援したい気持ちが湧いてきた。
2部に入ってからはとにかく栗橋浩美の異常さが気になって仕方なかった。なんかその辺にいそうな異常さが怖い。さすがに6歳の誕生日のエピソードは彼が気の毒だったけど。
絵に書いたような悪女たちも彼の手にかかるのは気の毒だった。特に嘉浦さんの方は巻き込まれた形だったしな…岸田さんの方もいきなり彼氏が変になって怖かったと思うけど。
そんな話読んだ後だと芦原さんが凄くいい子に思えてきた。でも、手紙の差出人の疑いは変に思われても誰かに言って欲しかった。
浩美の幼馴染の高井兄妹はいい人たちなので無事でいて欲しいけど、それだけに兄の和明はもうちょっと浩美のやばさを認識してて欲しかった。引っ越しの手伝いは指紋も着いちゃうしやばいな…意外な人が犯人というのも多いけど、今回に関してはあんなひどいことしそうなタイプだよ！
それにして樋口めぐみが被害者遺族にやってることが酷すぎて…父親が殺人犯になっても庇うぐらい好きだったんだなと思ってたのにそうじゃなかった。これは浩美やピースの同類じゃないか？