吸血鬼は目を閉じ、十字を切った


INAPAという組織、ハンター的なのを想像してたけど、保護という名の監視する機関なのね。
吸血鬼が人間社会にまざって普通に生活してるパターンとも違って新鮮かも。

セツさん、残酷で冷酷な吸血鬼かと思ってたけど、なんか優しいし可愛い。私の好きなロリババアだしな。
でも、彼女が今も尚生きてて今回の事件に直接関係してたのは予想外だった。

人の怒りを奪わない。セツさんにそれを教えただけでここまでいい吸血鬼になるとか、レキさん良い事言ってくれた。
セツさんの最期の手紙からは彼女の愛する人々への愛情とこの世の悪への怒りがとても伝わってきた。
残念な吸血鬼を亡くした…

仕事だけの付き合いでいくのかと思いきや、ヒバリがシキョウの部屋に入り浸っててびっくりした;
でも仲良いわけでないのがいいな。部屋にいる度嫌な顔されてるのにベッドまで使わせて貰ってるの神経が図太過ぎる。
孤独な吸血鬼と孤独を知らない人間って好きな組み合わせではあるんだけど。

ヒバリの汚い言葉について苦言を呈するシキョウの様子からして、基本はいい吸血鬼なんだろうなと思う。
シキョウが人にも吸血鬼にも信用されていないの理由がなぁ本人が悪いわけじゃないのがなぁ。いくら食べてもほとんど栄養を接種できないのはとても辛そう。

人を孤独に追い込むのが悪だけれど、美しい善人もまた自覚無しに人を孤独に追い込むことがある…これ私が日常でも感じることなので分かる。
そんな純粋な善人の言動が孤独な人を救う展開好きなんだな。
ヒバリ、思ってた以上に熱いハートの持ち主でサビに怒りをぶつけた時は痺れた。そうそう、シキョウみたいなタイプはこういう人に救われて欲しいんだ。こういうの好き。
でも、強い怒りと善良さがヒバリを孤独にしていたんだなぁ。

ヒバリの失踪した父親のことは疑いたくなかったけど、ページ数が減れば減るほどこりゃ事件に関係してるなって思わざるを得なかった。
こんな関わり方だったなんて…ヨタカがどうなったかも、犯人の正体もなんとも残酷で良かった。
ヒバリ親子には幸せな再会を期待したこともあったので哀しい。
かつてヒバリの存在がヨタカの夜明けになった。二人の出会いは素晴らしいものだった。そこがとてもエモくて尊い。

とても好みの内容だったので続篇出たらぜひ読みたい。

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