炎と茨の王女


冒頭が平和だったので油断してた。
主人公エリサが嫁ぎ先についた途端に重めで殺伐とした空気に。
夫のアレハンドロは優しいけれど結婚については何か訳ありの様子。無事国民に結婚を発表できるようになるのかが気になるところ。
そんな状況なのでヘクトール卿やニカンドロ神父のような人々と主人公が出会えて良かった。

ゴッドストーンにはまだ謎が多いのはいいとして、主人公アレナの劣等感を裏付けていた周囲の態度の原因もゴッドストーンにあったとは…
おおっと、ここで義理の息子の悪口がクリティカルヒット…エリサがぽっちゃりなのただの思い込みじゃなかったのか;食べるの好きみたいだしな。
幼い王子と仲良くなれるかもしれないと希望を抱かせたとこでアレナがピンチに。

なんとなく冒険や戦記モノっぽくなってきたなぁ。
かつてのゴッドストーンの持ち主ダミアンのやり遂げたことからして、エリサの活躍が華々しいものとは限らないけど彼女にかかるプレッシャーは強くなってきてるな。救世主を求める戦場では仕方ないのか。
あとこれまた仕方ないのかもしれないけどアレンティン神父のアレハンドロへの嫌味が凄い;

アリーニャがアレハンドロの愛人してるのは自国の救済が目的か…そう考えると憎めないかもと思ってたら、なんか違うっぽくて複雑。
各々が自分の領地を守ろうとしてるのは確かなようだけど。
自分が生まれ育った国から嫁ぎ先、侵略を受けている夫の領内から敵の中へと段々エリサの環境が悪化してて心配。
敵のアニマガスに「それが神の意志だから」とエリサが言った時は痺れた。

なんとなく、この恋は成就しないんじゃないかなと思ってたんだけど、最悪の結末に愕然としてしまった。
その後のエリサの痛ましい行動に気が滅入る。
なのでアレハンドロへの情も興味も失せていたにも関わらず、ヘクトール卿が現れた時はアレハンドロにも感謝してしまった。
再会した王は相変わらず頼りないけれど将軍たちは味方だし、可愛い王子が元気にしていて良かった。

戴冠式を終えついに決戦の日が近づいてくる。
奇跡の代償大きくない?かつてのゴッド・ストーンも、ゴッド・ストーンの持ち主が作った装飾品も一度の奇跡で壊れると思わなかった…
ウンベルトの死は衝撃だっけど急すぎたので泣く間もなく、まさかあのアレハンドロが勇敢に散り涙することになるとは。

神の意志を授かった英雄であり一国の主となったエリサの今後がどう描かれるのか。2巻も気になる。

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