彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? Wシリーズ


人工細胞によって体の一部を補える時代か。
森さんの作品に登場するウォーカロンが好きだから手に取った本だけどその辺も興味深いな。
物語の始まりは現代っぽいけど、思ってた以上に未来でSF色が強い。
紛争もなく寿命もほぼ克服した人類が直面したのは出生率の低下。人口を維持するために必要な平均寿命は1000年、気が遠くなる。

研究者のハギリが命を狙われた理由も特殊。
人とウォーカロンの判別が可能な研究をしていたから。
人とウォーカロンの境界がそこまで曖昧になっているというのは面白いけれど、犯罪が起きたりすると確かに問題かもなぁ。
逆の発想も出てきたけど、私は人とウォーカロンの違いがなくなるのに賛成。どうせ人はいずれ絶滅する。なら、その後はウォーカロンが引き継げばいいのでは。
種は滅びるけど文化は残るかもしれない。

ハギリを誘拐しようとする人たちの目的からすると今後も狙われ続けるのか。
いつの間にか局員扱いになっているのがちょっと面白かった。ウグイとの関わりも終わりではなさそうだし今後も気になるな。
ハギリとウグイの関係は何と言い表していいか分からないけど、好き。

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