迷宮百年の睡魔

2022年7月24日

『女王の百年密室』の続編で、再びミチルとロイディは訪れた街で事件に巻き込まれる。
今回二人が取材のために向かったのは、一夜にして森が消え、周囲が海になってしまった伝説の島イル・サン・ジャック。
ミチルとロイディが島の宮殿モン・ロゼを訪れた夜、曼荼羅の中で首を落とされた僧侶の死体が見つかった。
一体誰が何のために頭を持ち去ったのか?

迷宮百年の睡魔 迷宮百年の睡魔
森 博嗣

新潮社 2003-06-27
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ミチルの恋人だったアキラに関わる人物が出てきたり、街の謎が明かされたりすることによって、ミチルとロイディの秘密も明かされます。
前回から続いている生と死についての考えから、人の心はどこに宿るのか?ウォーカロンと人間の違いは?など新たな哲学的思考が飛び交いつつも、ミステリィや軽い感じのSFとしても楽しめる作品。

私としては成長したロイディが見れるだけでも読む価値があります。
以前読んだ時のレビューでも似たようなこと言っていたので、今も以前も変わらずロイディが好きなんですね。
ミチルとロイディの会話を読むのが楽しいので、続編を期待。
今回新にウォーカロンのパトリシアが仲間に加わったので、彼女の今後も気になっていたりします。
このシリーズは、ミチルがデボウに惹かれているものの、カップリングとしてはロイディ×ミチルが良い。
ただあの二人は、互いに向かっている感情は不鮮明なんだけど、親密で大切なパートナーだというのが会話から伝わってくるのが好ましい。

森博嗣

Posted by tukitohondana

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