妖しき悪魔の抱擁

カレン・マリー・モニング
ヴィレッジブックス
発売日:2009-07-18

アメリカの田舎町に住むマッケイラ(マック)は、親の反対も押し切ってダブリンへ向かった。
それは、アイルランドに留学中の姉が何者かに惨殺されたためだった。
謎めいた男バロンズと出会い、驚くべき事実を知る知る。
邪悪な妖精たちが徘徊するダブリンで目的を達成するには、不本意ながらもバロンズに協力しなければいけない。
姉の無念を晴らすためマックとの妖精たちとの戦いが始まる。


早い段階で不思議な存在を受け入れるヒロインも多いので、このヒロインが中々現実を受け入れられない姿がちょっと新鮮でした。
ロマンス要素は薄めでヒーローは前半はなかなかの嫌な奴。
でも、こういうの好きなので萌えますv
ヒーローとヒロインが出会ってすぐは仲が悪いというのは王道ですが好きな設定。

姉が亡くなったことに対するマックや家族の反応が読んでいて辛く、本当に仲の良い家族だったのだなと感じました。
それだけに、事件の内容とのギャップが際立ちます。
マックが姉の最期の願いに応えるため、恐怖を感じながらも頑張る姿が良かったです!
(もちろんちょっと意地になっていたというのもあると思いますが、それはそれで…)
バロンズのいうことに従ってマックが家に帰ったとしても、また似たような事件に巻き込まれる可能性もありますよね。
力のことを理解するためにも、ダブリンに残って良かった気がします。

姉マリーナのいう敵「あいつら」とは誰を指すのか、同じ書物を追う者が増えるほどわからなくなってきます。
謎の答えが明かされても、まだまだ謎も残っていて戦いは始まったばかり。
マックとバロンズの恋の行方はもちろん、今後の戦いの行方も気になります。
ラストの二人のやりとりがちょっと微笑ましくて好きでした。
【再読】
日常がいきなり崩壊していく様やサスペンスのような雰囲気がいい。
留守電に残っていた姉のメッセージが辛いな。
こんなことになったら絶対後悔する…その時にはどうしようもないんだけど。
マックに感情移入すればするだけ苦しくなってくる。
姉の死と彼女が残したメッセージによって様々な思いを抱え悩んでいるマックに対して、アイルランドでの出来事は余計に混乱するもので…でもわけも分からないまま殺されないでよかったかな。
異常な事態を早々に受け入れざるを得ないヒロインも多い中、マックの頑固さはやや目立つ。
彼女の場合、最初に受け入れたくない姉の死という出来事があったから余計に素直に自分の置かれた状況を受け入れることができなかったのかもしれない。
バロンズはちょっと(いやかなりかも…)乱暴な所もあるけど、今のマックにはこれぐらいでちょうどよかったんじゃないかな。
彼の「過去を手放し、今を生きろ」はよかった。
理由は何にせよ、マックが今を受けれいて生きるには彼みたいな存在が必要だった。
最初に読んでだいぶ経ったせいかな…自称妖精の王子がマックに渡そうとしたクルースの腕輪やマックたちが手に入れたロンギヌスの槍や箱などのOPPについてはまったく記憶に残ってなかった;(この手のアイテム好きなのに)
理由があるとはいえバロンズの守る発言は結構好き。
むしろ色恋関係なく利害の一致から共に行動しているコンビというのも好きだし、気に食わないマックを利用しなければいけないほどバロンズが求めているシーサドゥーとはどんなものでなぜ彼はそこまでそれを求めるのかがすごく気になる。
姉が亡くなりショッキングな出来事が続く中、自らが信じていたものが次々と崩れていく。
マックの姿には胸が痛む。
姉の残した新たなメッセージを知り、バロンズを再度疑い始めたマックの無謀な行動にはハラハラさせられた。
バロンズが姉の恋人ではないと分かった時にはほっとしつつ、もう引き返して欲しいという思いとその先に何者がいるのかという好奇心もあり複雑な心境でした。
やつらがこちらがわに出てくる門が登場してますますこれは序章にすぎないんだなぁと再確認。
マネキュアを塗るバロンズはやっぱり微笑ましくて好き。
彼が少しずつマックを認めていくのかなと考えるとこれからが楽しみ。

ま行

Posted by tukitohondana

inserted by FC2 system