世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)


めっちゃ久しぶりに読む。
読んだ村上春樹さんの作品の中で一番好きだった小説。

この長い主人公の思考懐かしい。考えてること本筋と関係ないのでは?と思ってしまうのだけど、そこが主人公に人間味を感じる理由にもなってる気がする。

同作者の小説は現実とそれ以外の区別が付きにくい印象なんだけど、この話は並行して進む二つの物語どちらも現実味がなくてそこが好き。
計算士の話の出だしは音抜きを研究してる天才の老人やその孫娘との交流が和む。
夢読みの仕事を任された主人公が何者で彼が訪れた街は何を意味するのかが気になる。
しかも二つの物語の共通点が頭骨って…謎すぎる。

計算士のいる世界観が未来っぽかったので忘れていたけどこの作品古いんだったな。
テレビの上に頭蓋を置いた件で思いだした。ブラウン管でないと物置くスペースほぼないもんな。
謎は多いけど流石にペーパークリップ1000円分買った時はなんで?ってなった。
後にペーパークリップはまさかの役割を果たすんだけど…

あとなぜかいきなり自然に性的な事をする仲になる。私のカップリングの好みとは異なるけど恋愛面意外が好みだから読めるんだよな。
ちなみに読んだ中でノルウェイの森だけは面白くなかった。

司書の女性はよく食べることといいその他の言動といい好印象だった。
仲良くなった結果貰った頭骨の正体にも近づいてきたし。

世界の終わりって計算士の脳内にある世界なのか?
とか考えてたら部屋を破壊されるという。
それでも主人公が「やれやれ」で済ましてるの今読むとなんか笑える。
話が進むほど主人公にとっては嫌だけど回避できない物事に遭遇するのでやれやれが増える。

シャフリングができる計算士が組織にはたくさんいると見せかけておいて、実際は…
行方不明の博士はどこへ行ったのか ?主人公に何を期待していたのか?
博士の孫娘と再会して世界が終わらないように謎を追う。
いよいよ面白くなってきたな。

世界の終わり側の生活いいなと思ってたけど、影と心を無くさないといけないのが嫌だな。

ま行新潮文庫

Posted by tukitohondana

inserted by FC2 system