くちづけはいつも闇の中

くちづけはいつも闇の中 (ライムブックス)
ケリリン・スパークス
原書房
売り上げランキング: 600,565

医療界に革命をもたらした人工血液を開発したロマティック・インダストリー社を経営する科学者ローマン。
実は彼は同族たちのエネルギー源として人工血液を製造販売を行うヴァンパイアだった。
ある夜、新製品の試作品を試していた彼の牙が抜けてしまい、慌てて深夜営業の歯医者に向かう。
そこにいたのはマフィアの抗争に巻き込まれて依頼血が苦手になってしまった歯科医の女性シャナ。
ハンサムな来訪者に胸をときめかせるシャナだったが、「抜けた歯を直して欲しい」と言って彼が取り出したのは、大きな牙で…

ヴァンパイアの男三人のやりとりに笑いが…いや、真剣にあれを作っていることは分かるんですが、なんとも結果が酷い。
ちょっと間抜けなところもなんだか可愛いと思ってしまいました。
VANNAを見た時のシャナの反応にも吹き出してしまった。
設定はシリアスなのに登場人物と展開が思っていた以上にコメディだなこれは。
うーん…事情を知らされず歯の治療をして、気づいたら惹かれていた男性の死体と一緒に寝ていたというのは気の毒だな;
色々知らされなかったことが裏目に出ている気がする。
ローマンが自分の正体を知られまいとするのは理解できるけれども。
最も無防備になる日中にまだ恋人でもない人物の隣にいるなんて吸血鬼はパラノーマル・ロマンスでも珍しいんじゃないかな…ちょっと抜けてて可愛いかも。
シャナの父親にあんな秘密があったとは…
ジャン=リュックが気になる。
ローマンがハーレムを持ってる女好きだとしても命の危険を考えると彼の助けを借りるのが一番いい気がするけどな…ヴァンパイアと知って警戒するのは仕方ないとして。
イワンがパーティーにあらわれてもうすぐ悪い事が起こるかもという時に、ローマンとシャナのやりとりが時々笑えたり微笑ましかったりでギャップが…大丈夫なのかな。
ローマンにとってシャナは五百年かかってやっと出会えた特別な相手で大切な時間なのは分かるんだけど。
そういうのはイワンとの問題を解決してからでよくないか?と思ってしまう;
心配していたシャナの父親が思いのほか性格が悪くてびっくり。
自分が正しいと思っていて、そのためには手段を選ばなさそうな所なんてイワンとそっくりじゃないか…まだイワンは悪役らしい魅力がなくもないけど。ちょっぴり小者っぽいので、その内改心するかなという期待はできますが。
イワンの最期は予想できなくもない展開だったかな。
もっと大きな敵が動き出しているという事実が明らかになり気になりますが、ひとまず幸せな結末で一安心。

さ行

Posted by tukitohondana

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