桜嵐恋絵巻〜水底の願い〜

桜嵐恋絵巻〜水底の願い〜 (ルルル文庫)
深山 くのえ
小学館 (2010-11-26)
売り上げランキング: 286,825

家の反対を押し切って結婚した詞子と雅遠。
そんなある日、雅遠の父親と詞子が会うことになった。
そして、ついに敵対する右大臣と左大臣の勢力争いに決着が着くことに!?
クライマックス突入の第8弾。

東宮妃と艶子の家出の顛末が気になるところでした。
あの父親が次に何を企んでいるのかも気になるし。
このシリーズって色恋の問題はあっちこっちで起こっているけど、主人公が雅遠以外に惚れられるって展開はないような。
いかんいかん、逆ハー好きの悪い癖が…
艶子もそうだけど、雅遠の父親もやっと話が通じるようになってきたな。
状況は良いとは言い難く、どちらも立場が危うくなってるけど、落ち着いて話ができるようになったのはやはり嬉しい。
詞子の呪いもこうやって少しずつ信じない人が増えていくんだろうな。
大変だしどうしても理解し合えない関係ってあるけど、話してみて解決する問題があるのも確かなのよね。
今の生活が楽しいと語る雅遠とそれに対する穏やかな父の反応には涙が出てきた。
最初の頃はこんな時が訪れるとは想像できなかったからなぁ。
皆がそれぞれ自分の立場で苦しみ、あがき、ある者は新たな未来を見据え歩みだし、ある者はもがき堕ちていく。
そんなシリーズだな、これ。
詞子の叔父さんみたいな人も目を覚まして未来を見て欲しいけど、もう無理なのかなぁ…
新しい道をみつけた皆には各々の幸せを掴んで欲しいなと思う。
ラストの展開が少し面白かったので、この出来事が吉と出るか凶と出るのかが楽しみなところ。

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