硝子の枷〈上〉深き水の眠り

2023年6月2日

硝子の枷〈上〉深き水の眠り (コバルト文庫)
毛利 志生子
集英社
売り上げランキング: 1,417,501

沙月は、テレビ局で郵便物の分類をするアルバイトを始めた。
そこで、なぜか沙月に好意的で中性的な賀々見蓮、女優志望で沙月に冷たい樽崎英麗奈、無口な蘇我トオル、ドラマ『花迷宮』に出演して人気の俳優坂城悠吾、元モデルで女優の筒井真史と出会う。
それぞれの思惑が渦巻く東西テレビ局内で多発する事故に水蛇の影が…

出ているこのシリーズもこれで最後。
なんとか続きが出ないものでしょうか。
水蛇の能力凄いな。あらゆる知識と分析能力まで生まれ持ってるのか…
英麗奈は沙月を自意識過剰って言ったけど、沙月はこれぐらい警戒した方がいいよな。
以前はむしろ無防備すぎたし…
英麗奈はきついけど、分かり易い人だな。
吼が沙月との関係に対して感じてる戸惑いが今後吉と出るか凶と出るか。
この不安定な感じは萌えるんだけどね。
冷やしうどんを用意してあげてる吼が可愛い。
世話やきな感じがなんだかたまらなく好きなんだよな。
過保護なところもたまに空回りしてるけどよい。
会食に参加したいという英麗奈の言動には呆れた。
沙月は見下しているし我侭だしで、これは酷い。
蓮さんが沙月をかばう理由にはほろっときた。
この人と妹さんが好きだな。
お義母さんに妹が言った『人生を否定しちゃいけない』っていう言葉とか。
吼のような存在がいれば、今回のような諍いは起きちゃうよね。
沙月が酒に酔ってしまった時の出来事にはどきりとさせられた。
蓮が指摘しているのは、蛇巫と水蛇の間にも恋情のようなものが生まれ得るってことなんだろうか。
沙月のような特殊な蛇巫の水蛇になると、水蛇には自由ができて、だからこそ悩んで色々考えて…結果、そういうことにもなるのかな。
自由って責任も結果も自分に返ってくるわけで、だから辛いっていうのはある。
水源を守ってきた水蛇の考えを読むと、水蛇は呼び出した蛇巫の影響をかなり受けるんだなと思った。
吼の性格も檸檬の性格も。
檸檬ちゃんの主はあれだったけど、彼の優しい気持ちから生まれたのが檸檬ちゃんだもんね。
沙月がピンチで蓮さんの能力も気になるところで前巻は終了。
次で出ている分は最後なんですよね。
再読するのが楽しみなような、寂しいような複雑な心境です。

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