楽園の蓮 はじまりを歌う少女

2023年6月2日

楽園の蓮 はじまりを歌う少女 (カドカワ銀のさじシリーズ)
喜多 みどり
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-10-28)
売り上げランキング: 1,032,703

瀕死の小鳥を助けた少女・天野蓮の愛犬ハチローに異世界の神パンが宿り、蓮は滅び行く世界を救う存在だと言う。
普通の女子中学生だった蓮は、無理矢理連れて行かれた異世界で無事世界を救って元の世界へ帰れるのか!?

物語中で最初に好感が持てたのは犬のハチローだった。
彼の視点は殺伐とした中で唯一の癒やし。
蓮はいい子だとは思うけれど、どうも最初好きになれなかった。
パンは段々可愛く思えてきたけど。
パンに忠告されても信じていた相手に裏切られピンチにおちいった蓮。
ここに来て、元の世界で蓮を裏切った友人の真意も気になってきました。
癒やしだったハチローとしばしのおわかれ。
彼のことは心配だけど、パンの態度はだいぶ柔らかくなってきて好感度信頼共に上昇しています。
フェイロンのことは蓮みたいに理解することができなかったな。
なるほどと思ったけど、さっするまでに至らなかったというか、もうちょっとじっくり長くこの世界と登場人物たちを読みたかったかも。
深い部分もあるのになんかこうあっさりした物語としか受け取れなかったので。
この作者さんの作品は合わないのもあったからな…好きな部分もあるけどちょっと惜しいなと思ってしまいました。
これ完結するの?と不安になったものの綺麗に終わってほっとしました。
蓮と愛理、フェイロンとワイシャン、そしてパンとクンの対立はすれ違いだったんですね。
パンにクンについては少し寂しかったけれど、蓮と出会ったことで穏やかな気持で世界と一つになったパンの結末を祝福したいです。
いや、あの世界が続く限りは存在し続けているんですよね。
フェイロンもそうですが、異世界トリップにつきものの別れが切なくも明るいものでこちらもほんのり未来に希望が持ててよかった。
色々もやもやとすっきりしなかった部分がラストですっきり片付いたような気がしました。

か行

Posted by tukitohondana

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