クローバーの国のアリス ～The Daydream Lover～
突然の引越しでクローバーの国に飛ばされたアリス。
その世界はあの夢魔ナイトメアが最高権力を持つ世界だった。
クローバーの塔に滞在するアリスだったが、気づけばナイトメアの部下グレイに誤解されナイトメアとの結婚話が持ち上がってしまう。
そんな中、アリスはピアスに飲まされた薬のせいで体が縮んでしまって…
グレイが本当にナイトメアのお母さんみたいになってるな；
この主従は前に読んだグレイメインの小説で好きになったけど、あれ以上に親子っぽい。
グレイの面倒見のよさがここまでくるとちょっと面白い。
特にアリスとナイトメアの関係を勘違いした時のセリフとか…
行動まで静かに暴走しているみたいでいいな。
周囲が勝手に盛り上がってお祝いムードになるというのがこのシリーズでは今までにないパターンで楽しい。
ピアスがうざ可愛く、ハートの城の皆とのやり取りも萌えたというか和んだ。
どの話でもエースの出番があるような…一番好きなキャラなのでそれがありがたい。
ペーターに対するエースとビバルディのセリフには吹き出した。
ナイトメアは普段情けない分、時々ふとシリアスなシーンでかっこいいとギャップ萌えがあるかも。
心を読めるだけでなく夢を操るというのも彼が恐れられる理由なのかな。
時間と関係ある気もするし。
夢に逃げ込めるのってあらためて凄い能力だなと思った。
アリスの思い出の中にある現実の世界とナイトメアたちのいるクローバーの国、二つの世界の間で揺れるアリスの気持ちが何とも切ない。
しかし、どちらにしても本当のアリスの元の世界というのは選択肢にないんだね。
それが幸せなような逆に辛いことのような…何ともいえない気持ちになった。
このシリーズはファンタジーな世界が舞台でありながらふとした瞬間に現実を意識させることがあってブラックだなぁと思う。
そこが好きなんだけど、不安定な気落ちの時には接したくない。
ナイトメアとアリスの関係は深いながら、甘い時間は長く続かない所も好き。
あの二人はあれで幸せだと思うので、あのままの関係でいい。