三国志〈5の巻〉八魁の星

北方 謙三
角川春樹事務所
発売日:1997-06

ついに乱世に屹立した曹操。
ようやく動き出した、行く手を阻む者たちの影。
志、野望、誇り…男たちはそれぞれ何を賭けて闘うのか。
“ただ曹操を敵としている”という劉備がいいな。
この三国志の劉備と曹操の宿敵めいた関係が好きです。
危険でない男は役にも立たないか…厳しいんだけど、戦乱の世を表す激しい言葉が鋭くてこの三国志でカッコイイなと思う部分の一つ。
言い回しというか文章のリズムも独特で、最初は読みづらかったけれど慣れると癖になってくる。
終わりが近い袁紹、亡くなった孫策について語る孫権・周瑜サイドは自然と暗めになりますね。
今でも孫策の死は残念でなりません。
周瑜たちの言葉読んでると、余計そう思う。
張飛と招揺の出会い、香との出会いは短いけれど印象に残る。
こういう出会いは好きだ。
あの張飛を戸惑わせる眼光を持った女性というのも興味を引かれる。
張飛と張衛の緊張感ある会話シーンもいい。
二人の考え方や生き方の違いの対比も。
張飛と香の結婚を喜んでいた所、劉備たちと香が初めて顔を合わすシーンでつい笑ってしまいました。
劉備たちの反応がいい。
かっこいい(勇ましい)女性や男装が好きな私としてもによによしてしまいます。
香が酒豪だと発覚する場面も皆の様子が和む。
ついに袁紹が亡くなったか。
この作品の死の描写はどんなメイン人物でもあっけないことが多くて、そこがむしろリアルだなと思う。
華佗の落ち着き様が好きだ。
頭痛に関する曹操との会話とか、さりげないけど、自分の考えを持ってて権力者の前でも媚びない感じがいい。
劉備軍三千と曹仁率いる三万の兵がぶつかるシーンは興奮した。
脳内で思い描くだけでも美しく、激しく、迫力ある戦だけどこれ映像化したのを見てみたいな。
北方三国志、そういう戦シーン結構ある。
徐庶を信じた劉備と劉備に惹かれた徐庶。その経緯は面白かった。いいなこういう出会いも。
本当に周瑜は夜や月、思い悩む様が似合うなぁ。
人並みはずれた美貌と才を持ちながら、彼の胸の内はとても人間臭くてそこがよい。
曹丕が目立ってきたな。今後が楽しみな人物の一人。
張飛と劉備の会話好きだな。
親しみや愛情が伝わってくる。
張飛と香も面白…いやいい夫婦になっているようでほっとした。
おお、赤兎が穏やかに暮らしていると知って嬉しくなりました。
呂布と過ごした日々とはまた違った幸せかもしれませんが、赤兎とただ一頭だけ共にいる雌馬の話は癒された。
徐庶が許都へ行くことになってしまったのは辛いが、次は孔明が来る!と思ったらテンション上がってきた。
北方さんの書く孔明が楽しみ。

北方謙三

Posted by tukitohondana

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