ザ・サード いつか時が流れても

火乃香と自己保存本能を強化された自動歩兵の戦い「月下氷人」
ボギーが火乃香との過去を夢に見る「オールド・デイズ・メモリー」
砂漠で火乃香は音痴のロボットと出会う「ホンキイ・トンク・マシーン」
火乃香の母(的存在)レオノーラたちとわけありのアンドロイドの少女の出会い「全兵装スタンバイ!」
火乃香に突然舞い込んできた依頼は“氷の天使”と呼ばれる辺境の歌姫の護衛だった「いつか時が流れても」
火乃香がキャラバンから独立したての頃のエピソードが入っているので、そちらに興味があった方にはおすすめです。
レオノーラのエピソードもそうですが、本当にこのシリーズは生きることについて考えさせられますね。
ちょっと耳に痛い台詞も多いものの、今回も何度も泣きそうになってしまいました。
この短編集はどの話も好きです。
「いつか時が流れても」では、あの人が仕事をしつつ火乃香に会いにきたりして、ちょっと萌えました。
≪再読≫
『月下氷刃』
これ読んでると自動歩兵は基本的にはあれ以上進歩して欲しくないというかなんというか…まあ、そう考えるのは単なるエゴかもしれないけどね。
人と機械には区別なんてない。
そう考えると生きたいと思ったり恐怖を感じていようといまいと生きていることには変わりないんだから。
本人が感じているかどうかという違いだけで。
『オールド・デイズ・メモリー』
非論理的行動を取り、自分のために涙を流す存在を知る。
それはボギーにとっては新鮮で衝撃的な出来事だったんだろうな。
初めてマザーと離れた時でもあったし。
火乃香を火乃香として認識し、ボギーが本当の意味での彼女の保護者になった瞬間。
少し冷や汗をかくシーンもありましたが、心がほんわりする話でした。
『ホンキイ・トンク・マシーン』
火乃香も最初からあんな考え方をしていたわけじゃなくて、悩んで迷って成長したんだって分かるので過去話も好き。
自分も頑張りたいな、成長したいなって思えるので。
<歌うたい>とのやり取りには吹き出すシーンも多かったけど、彼の言うことは深いなぁ。
『全兵装スタンバイ!』
今まで名前だけ登場していた火乃香の養母レオノーラ。
期待通りの気持ちのいい姐さんだなぁ。
『いつか時が流れても』
火乃香と浄眼機のこうさりげない邂逅シーンってそうなかったから嬉しい。
歌手とか辺境の芸術事情っていうのも今までは出てこなかったしな。
短編は、ザ・サードの世界観、辺境の人々の様子が本編とはちょっと違う角度から読めるのが嬉しい。
火乃香が関わってくると自ら動かなくてもいいのに行動的になる浄眼機も見れたしね!

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