ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種

人類最終・想影真心を伴って戯言遣い・いーちゃんの前に現れた「狐面の男」。
運命の最悪の傍観者たつ彼が唱える世界の法則とは、この世の真理そのものなのか?
<戯言シリーズ>最終楽章、中巻。
出夢の最期が辛かった。
いーちゃんとの会話といい最期の言葉といい王道だけにやばい。
戯言シリーズは殺しても死ななそうなとんでもキャラが多い割りに、あっさり死ぬから油断できない。
その理不尽な展開も魅力の一つなのだけど。
狐面の男の最悪っぷりが素敵過ぎる。
まさに人類最悪。
萌太君もなぁ…出番は少なかったけどおいしいキャラだっただけに、こうなったのが残念というかなんというか、あの瞬間の喪失感は凄かった。
後に彼の笑顔の意味を知ると(いーちゃんの推測ではあるが)胸が熱くなった。
いいお兄ちゃんじゃないか。本当に惜しいな。
みいこさんが優しすぎて泣ける。
厳しい事も言うけどそれは相手を思うからでその相手の事を否定したりはしない。ちゃんと受け入れた上でのこと。
いーちゃんと友のやり取りも好きだな。
やっと色々決意したいーちゃんは今までの歪みっぷりと煮え切らない様の反動かというぐらい思い切りよくなってきたよね。
どっちのいーちゃんも好きなんだけど、友の言うようにずっと変わってなかったんだろうな。
本質的な部分は。
前からいーちゃんは優しかったし、大切な人たちがいた。
それらを自分では認めることができなかっただけで。
絵本さん可愛いよね…面倒そうな人物ではあるんだけど、なんかツボだ。
いーちゃんとの交渉シーンもツボだった。
初めての本音とかもね…それを引き出したいーちゃんも、それを言った絵本さんも好き。
あっけなく終わるわけがないと分かっていたけれど、終わりを否定するような出来事はやはり理不尽でぞっとするものだった。
この日常と非日常が交差する感じは好きだな。血みどろだけども。
やっぱり人識は美味しいタイミングで登場してくれてテンション上がる。
そして打ち合わせしていたかのような二人の流れるような会話が心地よい。
こういうの見ていると正反対でありながら似ているというのが分かる気がする。
忘れかけているとはいえ、結末を一度読んだ私としてはそうでもないけど、初読時は動揺してしまうようなことを告げられて次巻に続くというラスト。
このままの勢いで戯言シリーズの再読を終えたいところです。

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