紅薔薇伝綺

紅薔薇を抱いて殉死した少女の夢を見たセバスティアーノ。
彼はかつてその少女と出会ったと話す龍緋比古と共に中世に向かい謎の多い連続殺人事件と遭遇する。
急展開を迎える壮大なるヴァンパイア・サーガ第五弾。
篠田真由美版「薔薇の名前」
今回はセバスティアーノも巻き込んでの龍の過去編二作目。(完全に過去と同じ内容ではないのですが…)
龍と共に過去へ行き、その時代に生きる人物に乗り移ったセバスティアーノ。
環境や時代が違えば変わっている龍の言動が面白い。
前の時ともまた違うしね。
表向き主従という形で接しつつも、いつも通りの関係な二人。
時代背景の描写等はこの作者らしく興味深いが、過去話は毎度やや勢いに欠ける気がする。
そこが残念。
セバスティアーノが自分の意思で積極的に行動を開始してからは、少し勢いが出てきたかも。
面白くなってきた。
龍がセバスティアーノをわけあって押し倒すという展開に吹き出してしまった。
今回は耽美要素も強め。(別に龍×セバスティアーノというわけではない。念のため。)
透子が絡むと人間臭くなる龍が好きです。
ちらっと話に出てきた不振人物の正体が…あわれな少年に止めを刺したのが彼だったのは一種の救いだったのかな。
残された者としてはつらいかもしれないけど、一人を救うことができもう一人は解放されたから。
そして本当にひとりきりな彼にはやはりライルや透子にそばにいて欲しいと思うのです。

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