イサナ 龍宮の闘いへ

たつみや 章
講談社
発売日:2007-10-23

父である不知火のきみをシャチの化身であるきさきに殺されたと知り、ヒコナは仇討ちを決意する。
大船が完成しヒコナはイサナ、クレ、イサナの兄と綿津見の男たちと共に有明のきみの宮へ…目的は神通力の源である龍の宝の珠について尋ねるためだった。
しかし、行く先々で敵に襲われ船に乗っていた皆は闘いへ…
はるか昔、神とともに生きる海の民・綿津見の一族と、不知火海を支配する龍一族を巡る海洋冒険ファンタジー終章。
物語冒頭で書かれたヒコナの心情には胸を締め付けられた。
イサナ視点だとちょっと違って見えるしなぁ…
クレ、ヒコナ、そしてイサナ、三人とも親を亡くしていてヒコナの仇討ちの物語でもあるわけだけど、物語全体が暗かったり哀しかったりしないで力強く明るい印象だったのはイサナの性格の効果が大きかったんだな。
ヒコナに対する綿津見一族の態度や自然に神々と関わりを持つ一族の決まりや儀式の雰囲気もいい。
やっぱり和風ファンタジー好きだ。
旅立ちはどんな話でもわくわくするものだけど、海へといういうのもまたいいよね。
本来陸で生活する人間にとって海って逆らいきれない大きな存在という気がするし。
この物語に出てくる神々や海の生き物たちの親しみやすさと恐ろしさは、まさに海や自然そのものという印象。
仇討ちの前に向かった有明の宮での出来事や新登場したキャラもいい感じ。
ヒコナ→イサナ→クレの状況も好きだったけど、ヒコナに恋する龍の姫ミノメヒメも可愛かったので良かった。
イサナとクレが背中を預けられるような関係になるとか燃えるなぁ。
巫女だけど前線に立って戦いに加勢するイサナが好きです。
ラストのヒコナの綿津見の一族への態度と民の不知火のきみへの思いには目が潤んだ。
ヒコナは子供っぽい所もあるけど、ちゃんと神様なんだなぁ…
でも、その分自分の素だろう幼い言動を取れる相手であるイサナへの想いが成就しなかったのは残念。
可愛い龍神のお姫様が婚約者になって良かったと思うけどね。
この手の話で私が一番好きなキャラと主人公がくっつくことってあんまりないんだよね…
ヒコナの妻にはなれないけれど不知火のきみのためなら命を差し出せる…そんなイサナの思いを胸にヒコナが立派な不知火のきみになればそれはそれでいい神と巫女の関係だと思ったりもします。ちょっと切ないけど。
とにかく綺麗な大団円ですっきりしました!

た行

Posted by tukitohondana


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