うちの犬はもっと可愛かった


設定が気になっていて手にとっった一冊。主人公に苦労人臭がするところがよい。
愛犬を失った主人公の前に現れた愛犬になりたい男性というのがインパクトあるんだけど、愛犬になりたい呪いにかかっている以外はまともなのでギャップがあってそこも面白い。
その男性くーちゃんの正体が初期からきになり、落ちも気になる出だしでした。

主人公の職業も特殊で面白い。本人が言うように地味だけど、城内の備品と話したり呪いをかけてまわるの楽しそう。
一人称でも落ち着いた文章なので読みやすいのもよかったです。
こういうおとなしめの主人公が予期せぬ出来事に巻き込まれていくのが好き。

主人公リタの社会性のなさは悲しくも共感できてしまう。
ユウレカ大佐は嫌な人だけど、スティアとのカップリング的には美味しそうなキャラだなぁ。
一方、今まで穏やかだったのに、ユウレカ大佐には辛辣なくーちゃんも新鮮で面白かった。
というか大佐とのやり取りが笑えた。この大佐も変な人なのでは…このズレ具合はリタにも匹敵するぞ;
そうかだからスティアとつきあえてたのかも。

黒幕というか犯人は無害そうな人物で逆に一癖ありそうな面々がなんやかんやでいい人ばかりだったかも。
くーちゃん、元からあの性格だったのは嬉しいような複雑なような。
呪いの顛末についてはあっけなくももはや微笑ましくて笑ってしまいました。
呪いをかけた人物が淀んでいた以外は平和でほのぼのしているので、わんこ系の呪いの設定以外はあまりインパクトはないですが、マイペースな変わり者同士の会話とかが好みでした。

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