恋のドレスと白のカーテン―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

恋のドレスと白のカーテン―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)
青木 祐子
集英社 (2012-03-01)
売り上げランキング: 565,682

シャーロックは、父親の命令でイギリスと離れアメリカの片田舎で機械工ラリーのパートナーとして自動車の開発に携わっていた。
離れ離れになろうとも、シャーロックとクリスは互いを想う日々。
クリスは思いをおせえきれずに渡米するが、そんなある日、ハクニール侯爵家の後継問題を決める手紙が…
ついに本編完結。

シャーロックはラリーと車の仕事しくていくのもありかなと思う。
一方で彼のような人にこそ政治家でいて欲しい気もする。
クリスが一人でも生きていける女性なので、選択の幅は広がるのでは。
シャーロックがそれをよしとするかがなぁ…良くも悪くもプライドの高い人なので。

アルフレイドサイドも大分譲歩してくれたよなぁ。
クリスとシャーリーの粘りの賜物だと思う。
クリスが結婚の条件に対して抱く不安や恐怖に悩んでいる様子がリアル。読んでて辛い。
不安や恐怖の内容が頭の中でグルグル回って前に進めないことってある。
正直、まだクリスに試練を課すのか、という怒りすら湧く。
その分、シャーリーと幸せになって欲しいという思いも強くなるのだけれど。

まさか、ここに来てソフィア様が反旗を翻すとは。ちょっと意外でもあり、頼もしく感じました。

幸せになることに罪悪感を覚えるクリスに幸せになって欲しいと言ってくれるパメラ。
パメラが言ってくれるからこそいいんだとクリスも思えると思うので、結婚式を前にパメラが帰国していてよかった。
闇のドレスの件も片がついていて本当によかった。
しかも、母が生きているという状態で終わったのが。
でないと、クリスがシャーリーと結ばれることはなかったと思うし。

今まで関わってきた皆が祝福しているのが嬉しく、幸せな気持ちになりました。
ウェディングドレスの妻を見たシャーリーの反応が可愛く、それにツッコミを入れるパメラも最高。
ラストはもうよかったねとしか言葉が思い浮かばず涙が。
ここまで読んできて本当によかった。
青木さんとあきさん、お二人のあとがきにも作品への愛が溢れていて、あたたかい気持ちで読み終えました。
まだ、短編集的なのが残っているので、そちらを読むのも楽しみ。

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