紅霞後宮物語 第四幕

紅霞後宮物語 第四幕 (富士見L文庫)
雪村花菜
KADOKAWA/富士見書房 (2016-06-11)
売り上げランキング: 21,783

明慧の葬儀が終わって日常が戻ってきた。
無情にも時は過ぎ、訪れた春、小玉は文林に一冊の帳簿を示される。
帳簿に不自然に出て来る「維山」という地名が、鄒王の死や明慧の死に繋がると文林は見ていた。
現地調査をするため、皇后の行啓として維山に向かった小玉だったが、維山の街に違和感を感じて…

小玉が昔好きだった人物の登場か。今回も始まりから重いけど、楽しみができた。
影武者を用意して小玉は自由に行動する。
今までとは周囲との関係が変わってくると思うのでちょっと新鮮でした。

登場人物の年齢が高めなのに、二次元の大人らしさがそんなに強くなくて等身大の人間という感じなのがいい。
皆生きているという感じがする。

綵の内面に触れるような会話が今回はちょこっと出てきて、なんだか親近感がわいた。
岩塩…お土産のチョイスが小玉らしい。
でも、ちょっと酷いと思っていたからこそ、綵の反応に吹いた。
小玉は真面目に選んだんだもんな。

おお、鴻へ小玉が書いた手紙がお母さんだなぁ。
文林がちょっと哀れかも。
文林は小玉のことをよく分かっていて、そこが微笑ましいし、この夫婦大好き。
ただ、小玉が嫌がることも文林は必要があればする人だから油断はできない。

攫われる子供、街中の若い娘たちの不自然な様子、鍛錬する少年たち。
異様な所が多かったので理由が知りたくてたまりませんでした。
異様な光景の裏で何が行われていたのかが気持ち悪すぎて…今までも、色々な母親が出てきたけどこれは怖い。

雪苑はとても頑張ったと思う。逃げることができてよかった。
今回の真相のような例は置いておいて、信じるものは人それぞれあって、だからこそ人は生きて前に進んでいける。
それが面白くもあり、救いのようであたたかく感じられる。
自分にとってはそれは何なんだろうなとふと思ったりもしました。

や行

Posted by tukitohondana

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