紅霞後宮物語 第三幕

紅霞後宮物語 第三幕 (富士見L文庫)
雪村花菜
KADOKAWA/富士見書房 (2016-02-10)
売り上げランキング: 50,411

軍人だった小玉が皇后となり二年。
大規模な人員整理のため多くの娘達が後宮を去ることになった。
最後の目通りの場で文林が謝月枝に目を留めたことで、新たな寵姫が現れた!?
小玉の取り巻き達は憤るが、小玉は狙い通りと皇后位の返還を表明する。
ところが…

プロローグが暗くて不安でした。

無意識に脅迫しちゃってる小玉が好きだ。
その後の言動についても無意識にあざといという清嬉には同意せざるをえない。

明慧と樹華の夫婦はなんか和むな…どちらもいい人だしそれでいてマイペースというか。
司馬淑妃、しょうがない人だな。
息子と共に穏やかに生活していれば安泰だろうに、なぜ余計なことをするのか。

小玉に友好的だったメンバーは、彼女の地位ではなく小玉本人が好きだからな。
文林がはなれたとしても小玉に友好的だわな。

文林の意図が分からずもやもやしながら読んでいました。
後に明かされた彼の事情はやっぱりかーという納得と、小玉が怒るのも無理ないなとしか…
でも、小玉に惚れてる文林の反応は可愛い。そこは好き。

月枝の身の上話は小玉の存在を励みにしている人々の存在を感じさせてくれて、いい話だと思う一方、またファンが増えたという感想が大きい。
この国、性別や生まれ問わず出世はできそうなのがいところだよね。
実例もすでにあるから、目標にもできる。
貧富の差は大きいみたいなので、いいところばかりではなさそうだけど。
とか、思った後の展開はショックが大きかった…

理想的な皇后であるがゆえの不幸か…幸福って本人が決めるものだから難しいな。
こっちでは理想的で本人も周囲も幸福だけど、別の視点でみるとっていうのは現実でもあると思う。
仕事ができて理想の上司だけど、家族では上手くいってなくて…とか。
逆もしかり。

2連続の鬱展開で想像以上のダメージを受けてる。このシリーズ重い。
樹華の言葉ではついに涙が。
もう文林しか残っていないというのが心配だ。
小玉なら乗り越えていってくれると信じているけれど、それでも。
あの店では二人のやり取りと店主の対応に泣いた。
可能性がなくなってしまったんだなと思うとすっごく寂しくなる。

や行

Posted by tukitohondana

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