永遠なる神の都 下―神聖都市ローマ

永遠なる神の都 下―神聖都市ローマ 龍の黙示録 (9) (ノン・ノベル)
篠田 真由美
祥伝社
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狙撃事件後の教皇は行方不明となり、ローマ市内には死者が蘇るという噂が広まっていた。
そんな中、龍緋比古は聖槍ロンギヌスを求めてヴァティカンの刺客エウフェミアを追っていった。
一方、囚われていた教皇の救出に成功したセバスティアーノだったが、ヴァティカンは教皇の逝去を報じる。
敵の支配下に落ちてしまったかもしれないヴァティカンと邪神との最終決戦が始まる。

龍の透子やライルへの対応はやっぱり自分勝手だなと感じてしまう。
それでも透子は、分身のライルよりは自由にさせてくれてはいるけれど…

マリアを連れてバイクで逃走する透子はかっこいい。
自分から積極的には行動しない龍とはいいコンビになれそうなので、やっぱり龍と透子のコンビは応援していきたい。
透子が日常で感じていた周囲とのずれがなんとなく分かるので、余計応援したくなるのかもしれない。

苦労人っぽいポジションになっている九郎兵衛さんと、思っていたより寛容で慈悲深い教皇がなんか救いというか癒やし。
他の人は(人でない者たちも)平静ではないからかな。
透子も言ってたけど、龍の焦りが気がかり。
本当ライルとセバスティアーノに対して行った行為は余裕なさすぎだったので。
その行動に対して冷静に受け止めてる透子とセバスティアーノにはびっくりするとともにそれだけ龍は信頼されていたんだなと嬉しくなる。

マリアの聖女っぷりにも驚いた。
アナスタシオとフラ・ダマスコへ予知した内容を語る彼女の様子に、ラストでは奇跡が見られるんじゃないかという期待も高まる。
関わってきた皆の総力戦だもんな。わくわくが止まりませんでした。

キリスト教と関わらず日本で静かに生活していた龍を殺す理由って確かにヴァティカンにもないだろうなと思うけど、透子とセバスティアーノの約束の会話が死亡フラグっぽくて恐かった。
戦いのあとのセバスティアーノと敵の会話にほっとする。
教皇とセバスティアーノの会話に感動した後に、まさかの約束が…ちょっとこれは納得できないけど、まぁ、透子とセバスティアーノの二人が納得しているならいいか。
エピローグがこれまた好みで、ああ帰ってきたんだなと思えて嬉しくなった。
ちょっと物足りない気もするものの未来を妄想しても楽しい終わり方でよかったと思う。

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