永遠なる神の都 上―神聖都市ローマ

永遠なる神の都 上―神聖都市ローマ 龍の黙示録 (8) (ノン・ノベル 862)
篠田 真由美
祥伝社
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拉致された吸血鬼タジオを追い、教皇銃撃事件で騒然とするローマへやってきた透子たち。
そんな中、龍緋比古はトリノの戦いで負傷し行方知れずになり、邪神にも新たな動きが…高位の聖職者たちが次々と失踪し、遂にセバスティアーノと透子の前に邪神が現れ二人は危機に陥ってしまう。

龍が透子やライルのことが心配だっていうのは分かる。
でも、別行動せずに力を合わせた方がいいんじゃないかという気がする。
効率的な面でも安全的な面でも。
だって、関係者ならどこにいたって危険なのでは?と思ってたら、勝手に動くのも承知の上なのか。複雑だなぁ。
それだけ敵が一筋縄ではいかない相手ってことなんだろうけど。

フランソワ・ドマもすでにマヌエル並にあやしい人物になってる気がするのに、あやしまれないんだよな…相手を油断させる見た目って恐い。

ライルがあの人を消そうと考えたのが、久々に人間じゃない感じが出ていてよい。
タジオたちを追っている時のライルの悪態が可愛い。
その前の思考とギャップがあるのもまたいい。

イノチョンツォ、賢く穏やかな人というイメージはあった。今回の回想でより親しみの持てる人物像になったなぁ。

透子とセバスティアーノの関係がもやもやする。
龍がプロポーズして撤回したのは不味かったよね。
透子には人であって欲しいし、別れがあるのは辛い。
人と人ならざる者の恋はここが課題になってくるよね。
ただ、姫神も言ってたけど、引き返すには遅かったかなという気がする。

本当のイエスを知っているからこそ、キリスト教を嫌う吸血鬼と、教えを否定する存在であるがゆえに吸血鬼を厭うヴァティカン。
面白い構図と今更ながら思う。すごく皮肉めいていて好き。

生命の美しさと神に祝福された世界。
地獄の中で生きていた少年にそれを教えてくれた神父様か…ちょっとうらやましいな。
そんな存在に出会えたセバスティアーノが。

邪神の正体がなるほどではある。
リリトとグエンドリーナが組んだのが気がかり。
でも、新たな力を得た透子とセバスティアーノの活躍に期待。

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