暁と黄昏の狭間〈3〉角獣の書

暁と黄昏の狭間〈3〉角獣の書 (トクマ・ノベルズEdge)
西魚 リツコ
徳間書店
売り上げランキング: 1,047,861

ついにセフルが流しの鍛冶職人として旅立つ日が来た。
消息を絶ったギルダン・レイを探し神獣の国アミランテへ向かったセフルは囚われの身となってしまう。
再会できた二人だったが、ギルダン・レイは彼女と敵対する陣営にいた。
オラとリヴォの決戦に二人は否応なしに巻き込まれていく…

また、強烈な王様が出てきたな。アクティブな方向に狂った登場人物多くない?
物語では珍しくないかもだけど…

セフルはセフルで無茶しすぎ…せめてもっと力を使いこなせるようになってから旅立った方がよかったのでは。
ただ、ギルダン・レイと再会したいという面を見れば分からなくない。
あの角のようなものは旅する上で障害になるよね。事情を知っている人たちにすら異形と言われるなら、知らない人が恐れから化け物と思ってしまうのも無理はない。
それがなくても裏切りが続き読んでいて憂鬱になる展開。

セフルの笑われることへの本能的な怖れが理解できるのが辛い。
冗談は分かっても、人に笑われるのは苦手意識があるので。

カルーガ可愛いな。
ファンタジーは登場する幻想動物も楽しみの一つ。
前巻の白トカゲも魅力的だった。

王妃の第一印象は悪かったものの、チアの本性に気付いているっぽい発言でイメージが変わった。
悲しいことに、あれが現実だなって。
多少は嘘つきでも愛嬌がある方が得ってやつ…

アミランテの王がああなった理由が王妃の考えている通りなら悲しい。
王妃の強かさと愛情深さをもってしても、もう王にはその想いは届かないのかな、と案じていただけにあの結末は…

この世界の魔術は人と兵器を融合することもできるのか。
結果どうなったかを見ると、明らかにやりすぎたなとしか…
あくまで可能性の一つで制御はできないとすると、恐ろしいような、まだ使いこなせないのが救いのような。
分かってやってたから、どっちとも判断がつかないのがな。

セフルやっと自分で次の行動を決められる時がきたんだな。胸が熱い。
今後の目的地にはギルダン・レイも同行するのが嬉しい。
トーリシャス王妃は心配ではあるけれど、セフルの今後のことを考えるとあの選択でよかったと思う。

な行

Posted by tukitohondana

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