暁と黄昏の狭間〈1〉竜魚の書

暁と黄昏の狭間〈1〉竜魚の書 (トクマ・ノベルズedge)
西魚 リツコ
徳間書店
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鍛冶職人の村に生まれ育ったセルフは、いつか職人として旅立つことを夢見ていた。
彼女は、ある日王子を救うために遣わされた水神フーレの化身に選ばれてしまう。
王子を救うとセフルは命を落とすかもしれない。
しかし、解り合える人のほとんどいない村で孤独を抱えていきる少女にそれを断れるはずもなく少女は旅立つが…

村で孤独を感じていた少女がある日選ばれた存在となる。
ロマンがありますが、王子のために命をかけろといきなり言われるのは辛いというか、どうして…ってなるよな。
今までの立場上、命をかけないでいいと行ってくれる人は身近にいない。
むしろ、王子サイドの人間のほうが事態を理解しているから、やらなくてもいいと言ってくれるという皮肉。
セフルがそんな状況になったのは自分のせいだと感じている部分もあるのが悲しい。
前に読んだときもネウトスの存在だけが救いだったな。

王子については意外だった。むしろ望まれていたより重い展開に。
自分以外にも苦しんでいる人はいる。当たり前なんだけど、必死な時はそんなこと考える余裕はなくて、気付いた時にふと自分が小さく思えるってある。
ギルダン・レイに認めてもらえて嬉しかったのだと気付いたセフルがどう成長していくのか気になる。
二人の出会いのシーンは挿絵付きで印象的なものだったので、この二人がこれからどうなるのかも気になってるんだよな。
今回はラストまで読むぞ~!

ワントは内蔵とは違うんだけど、ちょっと似たような部分もあって面白い設定だと思う。
振り返るとイダの存在って大きかったなぁ。彼がいたことによってセフルが危機に陥ったこともあったけど、その分気づかせてくれたり考えさせてくれたことがあった。
彼がいなかった場合、セフルは考える間もなくただ辛い目にだけあっていたのでは。
イダのことエイメが正気に戻ったのは生き残ったことの次に嬉しかった。
一方あの人の裏切りが痛かったが…この物語、信用できるのはある意味ギルダン・レイしかいない。
彼だけは何があっても誠実でいてくれる気がする。
チョンベルに対するエイメの言動で彼がより好きになった。
過去を思うと信じられないぐらいまともだ。でも、そういう人だからこそ苦労してきたのかもしれない。

あの人の体が使い魔にされた時はどうなるかと心配してしまったり、多くの犠牲が出たけど、無事だった者たちがいたことを喜びたい。
冒険はまだ始まったばかり。
これからの冒険はもちろん、セフルの恋の行方も気になります。

な行

Posted by tukitohondana

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